大判例

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東京高等裁判所 昭和36年(う)2239号 判決

被告人 井上忠文

〔抄 録〕

所論は、本件犯罪の常習性を証明すべき証拠が不十分であるに拘らず、原判決はこれを常習犯となし、盗犯等の防止及び処分に関する法律第三条第二条を適用したもので、判決に影響を及ぼすこと明らかな事実誤認・法令適用の誤がある、と云うのであるが、記録を調査するに、本件事犯は、原判示の如く、昭和三十四年十二月より同三十六年八月までの間の二十一回に上る窃盗で、その手口は深夜の忍込窃盗・宵の時間の空巣窃盗・昼間の店舖内万引等諸種に亘り、その同種手口の犯行の間には共通したやり方が認められ、その犯行の態度も極めて安易大胆であり、而も現金等を除く賍品の大部分はこれを処分することなくして保管した事実に徴すれば、必ずしも経済的窮迫のみに起因した犯罪とも見られないのであつて、以上の諸情況に照せば、被告人がこの種犯罪の常習性を有することを優に認め得るところであり、原判決が本件犯罪に常習性を認め、盗犯等の防止及び処分に関する法律第三条第二条を適用処断したことは正当であつて、所論は理由がない。

(兼平 斉藤 関谷)

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